2023年10月から始まったインボイス制度(適格請求書等保存方式)は、一人親方の契約書・請求書の書き方に大きな影響を与えています。
2026年現在の対応状況と、一人親方が取引先から求められる対応を解説します。
インボイス制度が一人親方に与える影響
インボイス制度の開始により、発注者(元請・上位下請)は一人親方への支払いで消費税の仕入税額控除を受けるために、適格請求書(インボイス)の受け取りが必要になりました。
一人親方が適格請求書発行事業者(課税事業者)でない場合(免税事業者)、発注者は受け取った消費税の一部または全部を控除できなくなります。
このため、一人親方に対して「インボイス登録をしてほしい」という要請や、「登録しないなら消費税分を値引きしてほしい」という交渉が発生するケースが生じています。
インボイス登録の状況を確認する
自分がインボイス登録(適格請求書発行事業者の登録)をしているかどうかは、国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトで確認できます。
登録番号は「T」+13桁の数字で構成されています。
| 区分 | 消費税の扱い | 契約・請求書の対応 |
|---|---|---|
| 課税事業者(インボイス登録済) | 消費税を請求できる・仕入税額控除の対象 | 登録番号(T+13桁)を記載 |
| 免税事業者(登録なし) | 消費税の請求は可能だが発注者側で控除不可 | 登録番号の記載なし。消費税の扱いを契約書で明記 |
契約書への記載事項(インボイス対応)
インボイス制度への対応として、一人親方との請負契約書には以下を追加で明記することが重要です。
課税事業者(登録済)の場合
- 適格請求書発行事業者の登録番号(T+13桁)を契約書に記載
- 消費税の取り扱い(税込・税抜)を明記
- 請求書にも同じ登録番号を記載する
免税事業者(未登録)の場合
- 登録番号がない旨を契約書に記載(または省略)
- 消費税相当額の扱い(経過措置の適用有無)を明記
- 2026年現在は経過措置(仕入税額控除の一部適用)の期間中
2026年現在の経過措置
インボイス制度の開始から一定期間は「経過措置」が設けられており、免税事業者からの仕入れでも一定割合の仕入税額控除が認められています。
- 2023年10月〜2026年9月:仕入税額相当額の80%を控除可能
- 2026年10月〜2029年9月:仕入税額相当額の50%を控除可能
- 2029年10月以降:控除不可
2026年10月以降は経過措置の割合が下がるため、免税事業者のままでいる場合は発注者との交渉が再度必要になる可能性があります。
インボイス登録すべきか迷っている場合
インボイス登録(課税事業者になること)には消費税の申告・納付の義務が生じます。売上が少ない一人親方の場合、消費税の負担が増える可能性があります。
登録すべきかどうかは、以下の観点で検討しましょう。
- 取引先(元請)から登録を強く求められているか
- 年間売上が1,000万円を超えているか
- 消費税の負担増と、登録しないことで失うかもしれない取引のどちらが大きいか
判断に迷う場合は、税理士や税務署の個別相談を利用することをおすすめします。
請求書の書き方もあわせて確認を
契約書と合わせて、インボイス対応の請求書(適格請求書)の書き方も確認しておきましょう。
👉 一人親方の請求書の書き方|インボイス対応版【2026年版】
常用契約書・請負契約書の雛形はこちら
インボイス対応を含む請負契約書の書き方・雛形は以下でまとめています。
👉 一人親方の請負契約書の書き方・雛形ダウンロード【2026年版】
帳簿管理・確定申告はクラウドソフトで効率化
インボイス対応のクラウド会計ソフトを使えば、請求書の発行から確定申告まで一元管理できます。
まとめ
- インボイス制度により、一人親方の契約書・請求書への登録番号記載が重要になった
- 課税事業者(登録済)はT+13桁の登録番号を契約書・請求書に記載する
- 免税事業者のままの場合は消費税の扱いを契約書で明記し、経過措置を活用する
- 2026年10月以降は経過措置の控除割合が80%→50%に下がる
- 登録すべきか迷う場合は税理士・税務署に相談を


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