一人親方とは?定義と「一人親方になるには」を解説

一人親方 お役立ち情報

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偽装一人親方問題について国土交通省では問題視していて、「建設業の一人親方問題に関する検討会」というものを開催しています。

その中で、

  • 一人親方とは?
  • 一人親方の定義とは?

という、そもそも「一人親方とは」という問題に対して、一定の目安が示されています。

「一人親方」という言葉だけを聞くと、一人で勝手に親方ぶってる人?なんて思ったりするので、目安を提示してもらえると助かります。

今回はその内容をご紹介します。

一人親方とは?一人親方の意味・定義、目安について

そもそも、一人親方と言っても、どういう働き方をしている人が一人親方なのかって人によって解釈が違っちゃいますよね。

なので、国交省のワーキンググループで提示された

「適正一人親方の目安の策定」

は案のレベルとはいえ、それなりに共通認識を持つために意味のあることだと思いますので、紹介したいと思います。

適正ではない一人親方とは?

まず、適正でない一人親方をご紹介します。

適正ではない一人親方というのは以下のようなもの、とされています。

  • 法定福利費等の労働関係諸経費の削減を意図して、実態は雇用労働者でありながら、名目上請負契約を結び、個人事業主として扱われているもの
  • 特定の建設会社に専属従事し、労働日や始業・終業時刻を指定され、仕事の進め方や作業方法等に対して具体的な指揮命令を受け、賃金は就業した時間に応じて支払われる状況にあるが、個人事業主として扱われているもの
  • 請負契約を結び、社会保険にも加入していないが、例えば会社のヘルメットやユニホーム、名刺等を支給され表向きは社員と呼ばれているもの
  • 雇用契約を締結しておらず、社会保険も加入していないが、作業員名簿上は社員(雇用)とされているもの

引用元:国交省 建設業の一人親方問題に関する検討会

このような働き方をしている作業員は一人親方ではない、という判断をされてもおかしくない、というわけです。

どうして一人親方にすると法定福利費の削減ができるの?

会社は従業員を雇った場合、社会保険に加入しなければなりません。

ただ、社会保険に加入した場合、社会保険料などの法定福利費を企業が負担しなければいけません。

そこでこの法定福利費などの経費を削減するために、従業員を一人親方化として会社から切り離すことがあります。

もちろん技能がある作業員が一人親方として請負契約を結び現場で働くこと自体は、とくに問題ではないのですが、実際には指示を出したり命令したりするなど、労働者と同じように扱う偽装一人親方化が行われていたりするわけです。

適正ではない一人親方はどうなる?

では、適正ではないと判断された一人親方はどうなるかと言うと

「適切な契約を行わない企業に対しては、現場入場等において一定の制限を設けるべき等の厳しい措置が望まれる」

となっていまして、これは適正でない一人親方は現場に入場できない、させないということになってくるかもしれません。

そして、その一人親方に対しては

「本人に働き方について確認を促し、労働者に当てはまる働き方をしている場合は、雇用契約の締結・社会保険への加入を促す」

とのこと。

って、自分から望んでいるわけではなく、一人親方的な契約をさせられている場合、こんなことを本人から雇用主には言えないんじゃない?

という話だと思うのですが、おそらく国が会社側に言ってくれる、わけはなく、いつもの元請の責任ってやつになるのだと思います。

しかし、一人親方としてはそんなこと言われちゃうと仕事もらえなくなってしますリスクあるので、誰もハッピーにならないのでは?

適正な一人親方の定義とは?

では、一方で適正な一人親方(変な言い方ですが)もいるわけで、その人はどうやって判断するかという基準もあわせて以下のように示されています。

適正一人親方の考え方

請け負った仕事に対し、自らの責任で完成させることができる技術力と責任感を培うのに必要な実務経験年数は、10年程度以上、かつ、各種資格取得や建設キャリアアップシステムレベル3相当の技量が必要との認識を踏まえ、目指すべき一人親方として以下を適正一人親方の目安とする。

まとめると以下の通り

  • 実務経験年数10年程度以上
  • 建設キャリアアップシステムレベル3相当以上の技量(レベル3の判定に必要な実務経験年数、保有資格は職種によって相違あり)

うーん、一人親方になるには、最低10年程度のキャリアが必要ということですね。

なんか、「一人親方」という資格のようなイメージになってきましたね。

適正一人親方のチェックの方法 見分け方

そして、作業員名簿上での、一人親方の見分け方も示されています。

作業員名簿での確認方法

作業員名簿で以下のような状態の技能者に対して、元請企業や上位下請企業等は技能者本人や事業者に対して確認を行うことを原則とする。

  1. 年齢が10代の技能者で雇用保険が未加入となっているもの
  2. 年齢が20代前半の技能者で雇用保険が未加入であり、経験年数が10年程度未満となっているもの、又はCCUSのレベル3相当未満の技量のもの

こうなると、作業員名簿の年齢欄のチェックが必須になりそうです。

一人親方相談窓口について

適正でない一人親方については以下のように誘導するようにも書かれています。

適正ではない一人親方に対して

技能者等からの相談に応じる中で、法令違反が疑われるような場合には、技能者から然るべき行政機関に相談が行われるよう誘導。

  • 現場管理する元請企業や、上位下請企業
  • 相談対応が可能な専門工事業団体
  • 建設産業関連の労働組合

ということで、必ずしも雇用主に言う必要はないわけですが、このような相談をするのって現実的な話なんでしょうかね?

一人親方になるには?

ここまでの内容から一人親方になるには、

  • 実務経験年数10年程度以上
  • 建設キャリアアップシステムレベル3相当以上の技量(レベル3の判定に必要な実務経験年数、保有資格は職種によって相違あり)

という条件があることが分かりました。

ただし、これはあくまでも目安です。

別に法律ではないので、実務経験年数10年以上なくたって一人親方になることはできます。

実際に最新の

一人親方検討会の議論を踏まえた「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」の改訂案

では、「経験年数3年未満の一人親方」は雇用契約の締結、社会保険の加入及び法定福利費の確保を促すとあります。

まぁ、一人親方って言うくらいだから、それなりの経験積んでいる職人がなるものという感覚からは10年以上の実務経験って妥当な気もしますが。

まとめ

国土交通省が偽装一人親方問題を検討し、適正な一人親方の基準を提示しています。

一人親方とは、建設業において一人で仕事を請け負う技術者のことですが、適正でない一人親方は労働者と同じ扱いを受けながらも個人事業主として扱われる場合があります。

国交省は適正でない一人親方に対して厳しい措置を取ることを提案しています。

一方、適正な一人親方には10年以上の実務経験や一定の技量が求められます。

ただし、これはあくまで目安であり、新しいガイドラインでは3年未満の経験でも一人親方として働くことができる可能性が示唆されています。

自分のスキルを生かして独立を目指す方にとって、一人親方は魅力的な選択肢であることに変わりはありませんが、偽装一人親方や中途半端な一人親方は淘汰されていくかもしれませんね。

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