「確定申告って面倒くさい」「適当にやっておけば大丈夫?」——一人親方になりたての方から、こういった声をよく聞きます。
結論から言うと、適当な申告は絶対にNGです。税務調査のリスク、追徴課税、最悪の場合は刑事罰まで発展します。
この記事では、一人親方の確定申告の基本から、青色・白色申告の選び方、節税のポイントまで2026年版として徹底解説します。
一人親方は確定申告が必須——その理由
会社員は会社が年末調整をしてくれますが、一人親方は自分で収入・経費を申告し、納税する義務があります。
確定申告が必要になる主なケースは以下のとおりです。
- 年間の所得(収入−経費)が48万円を超える場合
- 複数の取引先から報酬を受け取っている場合
- 副業として一人親方をしており、副業所得が20万円を超える場合
申告期間は毎年2月16日〜3月15日です。この期間を過ぎると延滞税・加算税の対象になります。
適当な確定申告はNG——発生するペナルティ
「税務署にバレないだろう」と思っていても、実際にはバレます。取引先が支出を申告していれば不整合はすぐに発覚しますし、銀行口座の動きも税務署は把握できます。
適当な申告・無申告で発生するペナルティは3種類あります。
①無申告加算税
期限内に申告しなかった場合に課されます。
- 納税額50万円以下の部分:15%
- 納税額50万円超の部分:20%
- 税務調査前に自主申告した場合:5%に軽減
②延滞税
期限内に納税しなかった場合に、納付日まで日割りで課されます。2026年現在の延滞税率は、納期限後2ヶ月以内は年2.4%、2ヶ月超は年8.7%です(年によって変動)。
③刑事罰
悪質な無申告は所得税法第241条の「単純無申告犯」として刑事罰の対象になります。法定刑は1年以下の懲役または50万円以下の罰金です。故意に脱税した場合はさらに重く、10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金になることもあります。
青色申告と白色申告——一人親方はどちらを選ぶべき?
確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。それぞれの特徴を比較します。
| 項目 | 青色申告 | 白色申告 |
|---|---|---|
| 特別控除 | 最大65万円(e-Tax提出の場合) | なし |
| 赤字の繰越 | 3年間繰越可能 | 不可 |
| 家族への給与 | 専従者給与として全額経費計上可能 | 上限あり |
| 事前手続き | 青色申告承認申請書の提出が必要 | 不要 |
| 帳簿の複雑さ | 複式簿記(会計ソフトで対応可) | 単式簿記でOK |
結論:一人親方には青色申告がおすすめです。年間65万円の控除は非常に大きく、所得税・住民税の節税効果は数万円〜十数万円にもなります。
青色申告をするための手続き
青色申告を行うには、事前に「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。
- 新規開業の場合:開業日から2ヶ月以内
- 途中から青色申告に切り替える場合:その年の3月15日まで
期限を過ぎると、その年は白色申告になります。翌年から青色申告にしたい場合は、前年の3月15日までに申請が必要です。
一人親方が経費にできるもの一覧
確定申告で節税するには、経費をもれなく計上することが重要です。一人親方が経費にできる主な項目を紹介します。
| 経費の種類 | 具体例 |
|---|---|
| 材料費・仕入れ | 工事に使う資材、消耗品 |
| 工具・機械の購入費 | 電動工具、測定器など(10万円未満は全額経費) |
| 車両費 | 軽バン・トラックのガソリン代、車検代、保険料(按分計算) |
| 通信費 | スマートフォン代(仕事用分) |
| 労災保険料 | 一人親方労災保険の保険料 |
| 研修・資格取得費 | 仕事に関連する資格の受験料・テキスト代 |
| 接待交際費 | 取引先との食事代など(上限あり) |
| 青色申告会の会費 | 青色申告会への入会金・年会費 |
プライベートと兼用のもの(車・スマホなど)は、仕事で使う割合を按分して経費計上します。按分の根拠を明確にしておくと税務調査でも安心です。
会計ソフトを使えば確定申告は難しくない
「簿記がわからない」「複式帳簿なんて無理」という方でも、会計ソフトを使えば青色申告65万円控除まで対応できます。銀行口座やクレジットカードと自動連携すれば、日々の入力作業も大幅に減ります。
一人親方に人気の会計ソフトは以下の2つです。
どちらも無料トライアルがあるので、まず試してみることをおすすめします。
インボイス登録と確定申告の関係【2026年版】
2023年10月から始まったインボイス制度により、適格請求書発行事業者(インボイス登録事業者)になると消費税の申告・納税も必要になります。
インボイス登録をしている一人親方は、確定申告とは別に消費税の確定申告も行う必要があります(原則として翌年3月31日まで)。
ただし、2026年時点では2割特例(売上税額の2割のみ納税)の経過措置が設けられています。対象者は少ない納税額で済むため、必ず確認しておきましょう。
確定申告まとめ——一人親方がやるべきこと
- 青色申告承認申請書を提出する(まだの人は今すぐ)
- 会計ソフトで日々の収支を記録する(レシート・領収書は捨てない)
- 経費をもれなく計上する(車・スマホは按分を忘れずに)
- 2月16日〜3月15日に申告・納税する(e-Taxなら65万円控除)
- インボイス登録者は消費税申告も忘れない
確定申告は一度流れを覚えてしまえば毎年スムーズにできます。最初は大変に感じても、会計ソフトと青色申告をセットで活用することで、節税しながら無理なく続けられます。



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