建設業許可を取得すると、500万円以上の工事を受注できるようになります。一人親方でも取得可能ですが、「経営業務の管理責任者」などの要件を満たす必要があります。
このページでは2026年現在の要件・必要書類・費用・手続きの流れを、一人親方の目線でわかりやすく解説します。
建設業許可を取ると何が変わるか
- 500万円以上の工事を請け負える(建築一式工事は1,500万円以上)
- 元請・大手ゼネコンからの信頼度が上がり、受注しやすくなる
- 公共工事への入札参加資格が得られる
- 施工体制台帳に許可番号を記載でき、現場での信用が増す
一人親方が建設業許可を取るための4つの要件
要件①:経営業務の管理責任者(経管)
申請者本人が以下のいずれかに該当する必要があります。
| パターン | 要件の内容 |
|---|---|
| A | 建設業の経営者として5年以上の経験がある |
| B | 建設業の経営者に準ずる地位(役員等)として5年以上の経験がある |
| C | 建設業の経営業務に関する補佐経験が6年以上ある |
一人親方として5年以上事業を続けていれば、確定申告書や請求書でAの要件を証明できます。
要件②:専任技術者(専技)
許可を取りたい業種について、以下のいずれかを満たす必要があります。
- 国家資格を保有している(施工管理技士・建築士・技能士など)
- その業種の実務経験が10年以上ある(学歴によって短縮可)
一人親方の場合、自分自身が経管と専技を兼任できます。
要件③:誠実性
過去に建設業法・宅建業法などの法令違反や、詐欺・脅迫などの犯罪がないことが必要です。
要件④:財産的基礎
- 一般建設業許可の場合:自己資本500万円以上、または500万円以上の資金調達能力があること
- 特定建設業許可の場合:より厳しい財産要件あり(一人親方はまず一般許可から)
建設業許可の種類
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 知事許可・一般 | 1つの都道府県内のみで営業する場合。一人親方はまずここから |
| 大臣許可・一般 | 2つ以上の都道府県に営業所を持つ場合 |
| 特定建設業許可 | 下請けに4,500万円以上(建築一式は7,000万円以上)を発注する場合に必要 |
費用の目安
| 費用の種類 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 申請手数料(知事許可・新規) | 9万円 | 都道府県に納付する収入証紙 |
| 行政書士報酬(依頼する場合) | 10万〜15万円 | 書類作成・申請代行の費用 |
| 各種証明書の取得費用 | 数千円〜1万円程度 | 住民票・登記されていないことの証明書など |
自分で申請すれば申請手数料の9万円だけで取得できます。時間はかかりますが、書類を揃えれば難しくありません。
申請の手順(STEP別)
STEP1:要件を確認する
上記4つの要件(経管・専技・誠実性・財産)を自分が満たしているか確認します。特に経管と専技の証明書類の準備が重要です。
STEP2:必要書類を集める
主な必要書類は以下の通りです(都道府県によって異なります)。
- 建設業許可申請書(様式第一号)
- 経営業務の管理責任者の証明書類(確定申告書5年分・請求書など)
- 専任技術者の証明書類(資格証・実務経験の証明書類など)
- 財産的基礎の証明(残高証明書500万円以上など)
- 住民票・身分証明書・登記されていないことの証明書
- 営業所の確認書類(自宅兼用の場合は賃貸契約書や固定電話の確認)
STEP3:申請書類を作成する
都道府県の窓口またはウェブサイトから申請様式を入手し、記入します。記載内容が複雑な部分は都道府県の「建設業許可の手引き」を参照してください。
STEP4:窓口に提出・審査
都道府県の担当窓口(土木事務所・県庁の建設業課など)に書類を提出します。審査期間は標準30〜45日程度です。
STEP5:許可通知書の受取・現場への反映
許可が下りると「建設業許可通知書」が届きます。施工体制台帳・名刺・見積書などに許可番号を記載できるようになります。
自分で申請する場合のポイント
- 確定申告書を5年分保管しておく:経管要件の証明に使います。過去の申告書がない場合は税務署で閲覧申請が必要です。
- 実務経験は契約書・請求書で証明する:工事の内容・金額・期間がわかる書類を年度ごとに揃えてください。
- 事前相談を活用する:都道府県の窓口では事前相談を受け付けています。書類が揃っているか確認してもらえるので積極的に利用しましょう。
許可取得後の注意点
- 5年ごとに更新が必要(更新手数料5万円)。期限を過ぎると許可が失効します。
- 毎年「決算変更届」の提出が必要:決算日から4ヶ月以内に提出。怠ると更新できなくなります。
- 変更事項は届出が必要:住所変更・商号変更などは30日以内に届出が必要です。
まとめ
一人親方でも建設業許可は取得できます。要件を満たしていれば自分で申請でき、費用は申請手数料9万円のみです。
許可を取ることで受注できる工事の規模が広がり、元請からの信頼も高まります。5年以上事業を続けている一人親方は、取得を検討してみる価値があります。
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