一人親方を辞めるとき・引退するときには、複数の手続きが必要です。漏れがあると未払い保険料の請求や、建退共の掛け金を受け取り損ねることもあります。
このページでは廃業・引退時に一人親方がやるべき手続きをチェックリスト形式でまとめました。手続き漏れがないか確認しながら進めてください。
廃業・引退時の全体チェックリスト
| カテゴリ | 手続き内容 | 期限・タイミング | 完了 |
|---|---|---|---|
| 税務 | 廃業届(個人事業の廃業等届出書)を提出 | 廃業後1ヶ月以内 | □ |
| 税務 | 青色申告の取りやめ届出書を提出 | 廃業した年の翌年3月15日まで | □ |
| 税務 | 廃業年分の確定申告を行う | 翌年2月16日〜3月15日 | □ |
| 税務 | 消費税課税事業者の場合:廃止届を提出 | 廃業後すみやかに | □ |
| 労災 | 特別加入の労災保険を脱退する | 廃業日に合わせて | □ |
| 健康保険 | 国民健康保険または建設国保の資格喪失手続き | 廃業後すみやかに(14日以内が目安) | □ |
| 年金 | 国民年金の種別変更届(再就職する場合) | 就職後14日以内 | □ |
| 建退共 | 建退共の退職金請求手続きを行う | 廃業後すみやかに | □ |
| CCUS | 技能者情報の更新・必要に応じて登録抹消 | 任意(継続も可) | □ |
| 建設業許可 | 廃業届を提出(許可を持っている場合) | 廃業後30日以内 | □ |
| その他 | 取引先への廃業通知 | 廃業前に余裕を持って | □ |
| その他 | 請求書・契約書などの帳簿書類の保管 | 廃業後7年間保管義務あり | □ |
各手続きの詳細
① 廃業届(税務署)
「個人事業の廃業等届出書」を税務署に提出します。提出先は納税地を管轄する税務署で、書類は国税庁のウェブサイトからダウンロードできます。廃業日から1ヶ月以内が提出期限です。
また、青色申告をしていた方は「所得税の青色申告の取りやめ届出書」も合わせて提出してください。
② 廃業年分の確定申告
廃業した年も確定申告が必要です。廃業日以降の売上・経費も含めて計上します。工事代金の未回収がある場合は注意が必要です。
③ 特別加入の労災保険の脱退
加入している労働組合や特別加入団体に連絡して脱退手続きをします。廃業日以降の保険料は返金される場合があります。脱退が遅れると保険料が引き続き発生するので、廃業と同時に手続きしましょう。
④ 建設国保・国民健康保険の手続き
- 建設国保:組合に連絡して資格喪失の手続き。廃業後は国民健康保険への切り替えか、会社員になる場合は会社の健康保険に加入します。
- 国民健康保険:廃業後も継続可能ですが、再就職する場合は会社の健康保険に切り替えます。
⑤ 建退共(建設業退職金共済)の退職金請求
建退共に加入していた場合、廃業時に退職金(共済金)を請求できます。これを見落として請求しないまま放置するケースがあるので要注意です。
手続きは加入していた建退共の窓口または地区本部で行います。必要書類は廃業届(税務署受付印あり)・本人確認書類・退職金共済手帳などです。
⑥ CCUSの手続き
CCUSの技能者登録は廃業しても自動的に抹消されません。再度建設業に従事する可能性がある場合はそのままにしておいてもかまいませんが、完全に引退する場合は登録情報の更新または抹消申請をします。
⑦ 建設業許可の廃業届
建設業許可を持っている場合、廃業したときは廃業日から30日以内に都道府県の担当窓口に廃業届を提出する義務があります。提出を怠ると罰則の対象になる場合があります。
⑧ 帳簿書類の保管
廃業後も帳簿書類(請求書・領収書・契約書・確定申告書など)は7年間の保管義務があります。税務調査が入る可能性があるため、処分しないよう注意してください。
廃業後の健康保険の選択肢
廃業後すぐに再就職しない場合、健康保険は以下の3つから選択します。
| 選択肢 | 内容 | こんな方に向いている |
|---|---|---|
| 国民健康保険に加入 | 廃業翌日から加入。前年所得で保険料が決まる | しばらく自営業を続ける・再就職未定の方 |
| 前職(会社員時代)の健康保険を任意継続 | 退職後2年間継続できる。保険料は自己負担 | 直近まで会社員だった方 |
| 家族の扶養に入る | 配偶者などの扶養に入れる場合は保険料ゼロ | 配偶者が会社員などの方 |
まとめ
一人親方の廃業・引退時には税務・保険・建退共・CCUSなど多岐にわたる手続きがあります。特に建退共の退職金請求と廃業届の提出期限は見落としやすいので注意しましょう。
チェックリストを活用して、漏れなく手続きを済ませてください。


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